妄想科学シリーズ(1)〜テレパシーとはなにか?〜

前回の投稿が2007年05月21日なので、11年の間を経て久々にblogを書いてみる。
自分は科学が好きで、一時は科学者を目指したこともあったが、結局はIT関係の仕事をしている。
ただ、やはり科学関係の話は好きで、知人との会話で面白い話が出たので少し書いてみる。

科学が好きな自分は世の中の様々な現象を科学的な視点で理由を付けて理解しようとしている。
ただ、どうしても科学では説明が付かないこともある。ここではそういったことを「非科学」と呼ぶことにしている。

私自身は決して「非科学」を否定しているわけでは無くて、非科学も存在しているが科学的に説明できない=科学ではないものという認識である。
誤解しないで欲しいのは、理解できないものをすべて非科学に分類して逃げようとしているわけではなくて、物事を科学的な部分と非科学的な部分に分けて考えようとしているのである。

と、あまりこういうことを言うと○ちがいと思われてしまうかもしれないので、こういう匿名のブログで持論を宣ってみようかなと思う。

科学と非科学の話を勝手に「妄想科学シリーズ」と呼ぶことにした。

さて、今回のテーマは「テレパシー」。

いろいろと科学の話をしていたら、「では、君はテレパシーは信じるのか?」と聞かれた。
テレパシーというのは、wikipediaでしらべてみると、「ある人の心の内容が、言語・表情・身振りなどによらずに、直接に他の人の心に伝達されること」とある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC

人の心に直接伝達されるということで、空間的に離れた場所に一瞬で情報が伝達されると言うこともあるだろう。
そうした可能性を科学的に考えようとすると、例えば量子テレポーテーションによって思考が伝達される、ということがあるかもしれない。
実際に、上記のwikipediaでは、ワッカーマンらは、テレパシーが起きる仕組みについては、量子もつれではないかということを提唱している。

私は大学時代物理学を専攻していたのだが、物理学者の中には量子力学によって人間のひらめきを研究している人がいると言うことを聞いたことがある。
ただ、私としてはあまりこういう分野に踏み込むとエセ科学になると思っているので止めることにしている。(エセ科学についてはまたそのうちに書こうかなと思っている)
なので、「テレパシーを信じるか?」と聞かれたら、「テレパシーを科学的に説明できる可能性はあるかもしれないが今のところ科学的では無くて非科学だと思っている」と答えた。

そうしたら、「君にとっては非科学かもしれないが、私は実際にテレパシーを感じたことがある。」という意見や「自分が考えたことを子供が話したりすることがあるよね」という話になった。

確かに自分しか知り得ないこと、自分が考えたことを他人が話したりすることがある。自分の経験の中でもそうした経験があることは否定できない。

テレパシーについて、科学的に考えてみたら、以前読んだ「脳の科学」という本に書いてあることを思いだした。
それは、人間の脳というのは起きた出来事に対してつじつまの合う過去の記憶を勝手に作り出すことがあるというものである。
私が小さい頃、家で猫を飼っていたのだが、ある日寝ているときに顔の付近に猫が下りてきてびっくりして目覚めたことがある。
そのとき夢を見ていたのだが、夢の中では何時間も前から何かに追いかけられていて、崖に追い詰められてどうしようもなくなって落ちたときに、地面に頭がぶつかりそうになってはっと目覚めたのである。そして、そのときが猫が顔に下りてきて目覚めた瞬間だった。

そのときは、子供心に「なぜ猫が下りることが分かっているような夢を見ていたのだろう?もしかしてこれは予知夢なんじゃないか?」と思っていた。
あとで、脳科学の本で、「人間の脳が過去の記憶を作り出してつじつまを合わせる」ということを知って、あぁ、自分の感じた予知夢というのは、猫が下りてきて起きたことにつじつまを合わせるようにあとから作り出した記憶なんだなぁと理解した。

その話をテレパシーに当てはめると、子供の言ったことに共感を覚えたり、自分の過去の経験と似ていることがあると、それとつじつまを合わせるように、自分が過去に考えていたことや過去の記憶と一致したことを子供が言ったという記憶や経験を脳が作り出すのではと思った。

つまり、テレパシーと感じたことも脳がつじつまを合わせるために勝手に作り出した記憶や経験ということなのだ。
そしてその記憶や経験が本当だったのか嘘だったのかを記憶の中では区別するすべを持たない。特に思想や考えは正しいかどうかなんてその人自身の判断しかわからないので、その人が本当だと思ったら本当でしか無いのだ。だから、テレパシーというのを否定することは出来ない。

そのことを話したら、「なるほど、確かにそうかもしれない。でもそれは夢の無い考え方だなぁ」と言われてしまった。
これは、うまい切り返し、私の考え方は「夢の中で作り出した記憶は妄想→夢が無い」ということか、一本とられた。