妄想科学シリーズ(2)〜(続)テレパシーとはなにか?〜

前回の記事から3年。ここまで遅筆だと誰も読んでいないと思うけれど、ふと書きたくなったので書いてみる。前回は11年ぶり、今回は3年ぶりなので、等比級数とすると次回は1年以内に書くはずだ。
とたわごとは置いておいて、前回のテレパシーについて、最近(といっても結構前から?)話題の量子テレポーテーションを考慮すると、もしかして現実的にあり得るかも!?という妄想がわいてくる。
量子テレポーテーションは、瞬間的に離れた場所の量子の状態が別の場所に転送できるという現象である。これはこの世に光速以上のものはないという、光速度不変の法則に反するように思えるが、実はそうではない。

量子テレポーテーションを行うには、「量子もつれ」という状態の粒子を離れた場所に移動させて、片方を観測するともう一方の状態が瞬間に決まるという現象である。つまり、物自体が瞬間に移動するのではなくて、状態(=情報)を瞬間的に離れた場所に再現できるということである。

これを応用して、一方の粒子の状態をよみとり、他方で再現することで、人間でも転送できるかのような話があるが、「量子もつれ」が実現できる限られた粒子の状態から物質の物質のすべての状態を再現できるわけでもなく、ましては人間規模のすべての粒子をそのまま再現することは(少なくとも今わかっている理論では)

不可能である。

量子テレポーテーションの応用として、量子テレポーテーションネットワークという、遠方と一瞬で通信できるという技術がある。こちらは、すでに実験がされて成功している。物質のテレポーテーションは無理でも、量子テレポーテーションネットワークで宇宙の遠方と一瞬で通信ができるかもしれない思うかもしれないが、そうはいかない。

量子テレポーテーションを行うためには、事前に量子もつれ状態の粒子をお互いの場所に運ぶ必要があり、粒子の速度は最大でも光の速度である。実際の実験でも、量子テレポーテーションネットワークには、光子がつかわれるが、通信する前に量子もつれ状態の通信に必要な数の粒子を通信に必要な情報(どの粒子がどの情報にたいおうするかなど)を事前に伝えておく必要がある。
少なくとも、通信したい箇所の中間地点で量子もつれ状態を作ったとしても、光の速度で粒子と通信に必要な情報を伝送しておくための時間が必要になる。
なので、量子テレポーテーションといえどどんなに遠方にでも自由に通信できるわけではない。

とはいえ、世界がすでに何らかの量子もつれの状態ですでに繋がっているかもしれない。前回も「量子力学によって人間のひらめきを研究している人がいると言うことを聞いたことがある。」と書いたが、量子テレポーテーションはまさに量子力学的な効果であって、遠方のある人や物の状態が一瞬で自分の脳の状態に影響を与えているかもしれない。
もしかしたら特殊な能力を持つ人が、そうしたすでに存在する量子もつれの状態を利用して、テレパシーのような一瞬の情報伝達をできるかもしれない。

そう考えると、「テレパシーが100%非科学的で妄想とは言えない」という妄想がわいてくるのである。